2019.06.27

コパ・アメリカで日本代表が
突きつけられた深刻な課題

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Watanabe Koji

 もうひとつの原因は、両ウイングのポジショニングだ。とりわけ今大会の中島は、A代表でプレーするときよりも、明らかに中央でプレーする時間が長かった。仮に監督から自由を与えられていたとしても、その傾向が強すぎた。チリ戦では守備が破たんする要因のひとつになったが、この試合では攻撃面で問題を生じさせる原因の一端となった。

 この試合で日本が見せた縦パスは、前半23本、後半30本の計53本。A代表でもなかなか見られない本数を記録したが、その割には日本が相手を押し込んだ印象は薄い。ボール支配率を見ても、1ゴール目を決めた前半15分までは53.9%あったが、その後は15分ごとに48.6%、40.3%とトーンダウン。後半開始から15分間は46.5%で、記録したシュートは0本だった(その後のボール支配率は43.7%、49.9%と推移)。

 これだけの縦パスを駆使していても、主導権は握れない。そこにエクアドルの守備の問題は浮上しても、日本の攻撃の優位性は見えてこない。

 この試合で作った日本のチャンスは、縦パスからの中央攻撃に偏りすぎていた。ゴールに近いルートが空いていればそこを狙うのが当然だとしても、サイドエリアに誰もいないなかで攻撃が中央に偏ると、ボールをロストしやすく、カウンターのリスクも高まる。チリやウルグアイが相手なら、サイドを使ったカウンター攻撃から日本が2、3点を失ってもおかしくないシーンが多かった。1-1で試合を終えられたのは、エクアドルの稚拙な攻撃に救われたと言っても過言ではない。

 もちろんそれぞれのシステムにはメリットとデメリットが存在する。しかし、少なくとも4-2-3-1を採用するのであれば、そのメリットを生かす必要があるだろう。逆に、サイドを使わないサッカーをするなら、4-2-3-1を採用する意味はない。

 それこそが、今大会で日本のサッカーが機能していなかった最大の原因であり、この試合を「決めきる力が足りなかった」というひと言で総括できない理由でもある。今後、東京五輪に向けて4-2-3-1をメインとするなら、必ず解決しなければいけない問題だ。