2019.06.25

黄金世代・遠藤保仁が忘れられない
「いちばんキツかった」悔しい経験

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • 牛島 寿人●撮影 photo by Ushijima Hisato

 ドイツW杯以降、遠藤はイビツァ・オシム監督の下で代表のレギュラーとなった。岡田武史監督になってからも主力としてプレーし、2010年南アフリカW杯では4試合に出場した。その後、2014年のブラジルW杯にもメンバーに選出された。遠藤がメンバーに入った3大会のうち、グループリーグを突破したのは南アフリカW杯だけだが、勝ち上がっていったチームの雰囲気はナイジェリアの時と同じような感じだったのだろうか。

過去の世界大会を振り返る遠藤過去の世界大会を振り返る遠藤 「南アの時は初戦のカメルーン戦に勝って勢いに乗った。ワールドユースでは初戦のカメルーン戦で負けたけど、勝ち抜く自信はあったからね。状況や大会のレベルも違うんで一概には言えないけど、やれるのを感じていたのはワールドユース。W杯の俺らはチャレンジャーという立場やし、またあのグループリーグを戦ったとしても突破できる確率は50%も行かないでしょ。ロシアW杯もベスト16まで行けたけど、もう1回やったら難しいと思う。でもナイジェリアワールドユースやと、同じメンバーで10回やっても6、7回はグループリーグを突破できる。完敗が(決勝の)スペイン戦だけだったんで、そのくらい力があるチームだった。俺は、今もあのチームが歴代最強やと思っている」

 最強世代――その言葉どおり、遠藤の世代の選手は日本サッカー界の中心になり、Jリーグで、海外で、そして日本代表で活躍してきた。遠藤は、海外移籍こそなかったが、2005年、ガンバ大阪のJリーグ初制覇に貢献するなど、国内組として圧倒的な存在感を示し、代表では152試合(歴代1位)に出場するなど鉄人ぶりを見せつけた。

 遠藤には試合でプレーする際にポリシーがあるという。

「Jリーグも代表やW杯での試合もそうだけど、常に勝ちたい気持ちでプレーしている。これはどの試合も一緒。もちろん、勝った喜びは違うよ。Jリーグの試合よりもW杯で勝った試合のほうがうれしい。でも、試合をやる前は同じ。勝ちたい気持ちをいつも持ってプレーしている」

 遠藤は、その思いでプレーしつづけ、ワールドユースから20年目を迎えた。

「普通に考えればすごいことだよね」

 遠藤は、まるで他人ごとのようにそう語り、笑った。

(つづく)

遠藤保仁
えんどう・やすひと/1980年1月24日生まれ、鹿児島県出身。ガンバ大阪所属のMF。日本代表国際Aマッチ152試合出場(歴代1位)。鹿児島実業高→横浜フリューゲルス→京都パープルサンガ

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