称えられるべきウルグアイ戦。だが森保監督の言葉は鵜呑みにできない (5ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Watanabe Koji

 試合運びについて大きな課題を残した点も見逃せない。初キャップの選手を含め、若く経験の少ない選手が多いゆえ、リードした直後に追いつかれてしまうことは仕方のない部分もある。それだけに、2-1とリードしたあと、ほぼ一方的に押し込まれてしまった60分以降の試合運びについては、指揮官のベンチワークの問題が問われて然るべきだ。

 2-2に追いつかれた66分のシーンを含め、終了までの約30分間は、いつウルグアイに逆転ゴールが生まれてもおかしくない戦況が続いた。それを最後まで耐え抜いたとしてポジティブに見るか、それとも危機感を持つかで、成長の速度は大きく変わる。当然、指揮官なら後者であるべきだ。

 もっとも、これは森保監督が今大会をどのような目的意識で臨んでいるかという根本的な話にもつながってくる。勝利と経験が4対6、もしくは3対7の割合であるとしたら、たしかにこの2試合のスタメン選びと試合中のベンチワークに頷ける部分もある。

 ただ、東京五輪本番に向けた実戦経験を求められるのは選手だけではない。国際経験の少ない森保監督もそれは同じなはずで、コパ・アメリカという真剣勝負の場で本番に向けた自分自身のテストをしなければ、再びアジアカップと同じようなぶっつけ本番の采配になってしまうことは火を見るより明らかだ。

 現地時間24日のグループ最終戦、対エクアドル戦も、引き続き森保監督の采配に注視する必要がありそうだ。

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