ブラジル人記者が森保Jを高評価。「日本の皆さんにお詫びしたい」 (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳translation by Tonegawa Akiko

 カバーニのシュートは2度バーを叩き、スアレスもゴール寸前のシュートが2本あった。ウルグアイはこの試合で26回日本ゴールに近づき、うち12回は本当に危険だった。一方、日本は12回ウルグアイゴールに近づいたが、本当に危険なのは3回ほどだった。たぶん2-2という結果は妥当であったと思う。

 ただ、試合の結果を左右したかもしれない大きなジャッジミスが、ひとつ、いや、もしかしたらふたつあったのも事実だ。

 ひとつは、取りあげられることのなかった日本へのPKだ。スタジアムにいたブラジルの記者も、ウルグアイのテレビ局も、VAR判定でヒメネスの中島に対するファウルが認められなかったことには首をひねっていた。植田直通のカバーニに対するファウルには、誰も文句は言わなかった。しかし、私はあの判定も微妙だったと思う。植田はカバーニを見ていなかったし、足はボールに向かっていた。あるウルグアイのベテラン記者は私にこんな驚くべきことを言った。「あれは日本の選手に対するカバーニのファウルだったよ」と。

 とにかく、歴史は書きかえられた。日本はブラジルに単に遊びに来たわけではなかった。日本はコパ・アメリカを軽んじていると思っていたが、それは大いなる勘違いだった。森保一監督は戦術的に賢明で、フィジカル的に準備万端、メンタル面ではウルグアイのような強敵にもひるまないチームを作りあげた。最後にもう一度、日本の読者に心からお詫びをしたい。



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