ブラジル人記者が森保Jを高評価。
「日本の皆さんにお詫びしたい」

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳translation by Tonegawa Akiko

 日本代表では、レアル・マドリード行きの決まった久保建英が「日本のメッシ」として注目されている。しかし今回の試合で、日本にいるのはメッシだけでないことに気がついた。柴崎岳。いったい彼はこれまでどこに隠れていたのか。決してあきらめず、決して止まらず、そのテクニックにはルイス・スアレスも拍手を送っていた。

 そして、川島永嗣。彼のパフォーマンスは完璧だった。正確な動き、冷静な読みで日本の守備に安定をもたらした。もちろん、中島翔哉と三好も最高だった彼らはプレッシャーのなかでもプレーできる、本物の才能がある選手だ。

 マエストロの異名を持ち、ウルグアイの監督に就いてすでに13年になる名将オスカル・タバレスは、試合後こう語った。

「我々は勇気に満ち、最後の最後まであきらめないチームと戦い、引き分けることができた」

 また、ウルグアイの2ゴール目を決めたホセ・ヒメネスはウルグアイのテレビのインタビューにこう答えている。

「日本はスピードがあり、どうすれば相手を窮地に陥らすことができるかを知っていた。我々は苦しめられ、負けないように懸命にプレーした。日本には本当に注意が必要だった」

 この日はウルグアイもすばらしい出来だった。ブラジルのテレビでこの試合の解説をしていた元セレソン(ブラジル代表)のジュニオールは、はっきりとこう述べていた。

「これまでの多くの退屈な試合のあとに、やっと本当に面白いゲームに出会えた。ウルグアイはすばらしかった。エディンソン・カバーニとスアレスは、今日、その才能のすべてを見せた。彼らは現在の南米の、いや、たぶん世界最高のストライカーだろう。この試合でのカバーニのプレーは目覚ましく、スアレスのプレーは危険だった。そしてディエゴ・ゴディンの守備。彼も世界最高のDFだろう」

 実際、ウルグアイは今大会の優勝候補の呼び声が高い。だが、そのチームに本気を出させ、全力でプレーさせたのは、日本の若者たちだった。しかもウルグアイがそうしたのは、勝つためではなく、負けないためだった。

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