森保監督の目論見どおり。ウルグアイ戦で左サイドの杉岡が急成長 (2ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

「チリ戦では、あまり(左サイドの連係が)整理できてない部分があったのは事実です。昨日(6月19日)の練習でしっかり整理できたことがよかった。ボールがある場所に応じて、どうポジションを取るとか、そういうところを流れのなかで細かく確認できたかなと思います。

(同じ左サイドの)翔哉くんとも声をかけて、中を締めたり、かなりいい守備ができました。しっかりボールにいけた場面が多かったので、そこは改善できたなと感じました。やっぱり(チリ戦では)試合中に、自分たちでもっと会話して改善していければよかったと思います」

 このようにして、左サイドは杉岡&中島の関係が向上したのみならず、CB冨安健洋(シント・トロイデン)やMF板倉滉(フローニンゲン)も迷いなくカバーに入っていた。

 また、杉岡は相手のキックモーションから動きを予測して、タイトにマークするよう心がけていたのだという。その結果、ウルグアイの右サイドハーフのナイタン・ナンデス(ボカ・ジュニオルス)や途中から出てきたジョルジアン・デ・アラスカエタ(フラメンゴ)と白熱した攻防を見せた。

 ルイス・スアレス(バルセロナ)と並ぶウルグアイの二大看板、エディンソン・カバーニ(パリ・サンジェルマン)ともマッチアップする機会が、杉岡にあった。この時、彼は世界を肌で感じたという。

「普通に競るだけじゃ、無抵抗かのようにボールを収められてしまいました。ボールが来る前の駆け引きをもっとやらないといけない。ボールが普通に来てから当たりにいっても、ブロックされたり、ファウルを取られたりした。オフ・ザ・ボールの駆け引きをやらないと、好き放題やられてしまうなと」

 サイドバックは時間も空間も生まれやすいポジションだから、杉岡が安定してボールを持つことができれば、もっと日本に余裕が生まれただろう。だが、慌てて蹴ってしまうシーンも散見された。

「後半、ボールを奪ったあとにつなげないことが多かったですし、縦パスの成功率もかなり低かったと思う。それに比べると、岡崎(慎司/レスター・シティ)さん、柴崎(岳/ヘタフェ)さん、(中島)翔哉くんといったA代表に何回も選ばれている人はマイボールにするし、しっかり縦パスをつなげる。相手との差もそうでしたが、A代表に選ばれ続けている人たちとの差も、この試合で感じました」

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