2019.06.20

謎の森保采配、次は大丈夫?
大差のきっかけになった問題を放置するな

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Watanabe Koji

 東京五輪を目指すU-22代表は3バックをベースにして4バックをオプションとし、A代表は4バックをベースに3バックをオプションとする。アプローチの仕方は異なるものの、どちらのチームも3バックと4バックを使い分け、同じ「原理原則」のサッカーを目指すというのが、現在の森保監督の考えのようだ。

 だとすれば、コパ・アメリカ初戦のチリ戦は、3-4-2-1を採用するのが自然だ。

 ところが、いざ蓋を開けてみると、森保監督はA代表のベースである4-2-3-1を採用。U-22代表ではオプションであるはずのシステムをチョイスして、周囲を驚かせた。

「今回招集した選手を見て、このかたちでやった。前田大然を右サイドで使ったのは、サイドからカウンターを狙えると思って起用した」とは、試合後の森保監督のコメントだが、その言葉を額面どおりに受け止めるには無理がある。

 そもそも今回の招集メンバーを見渡しても、純粋な4バックのサイドバックは1人もいない。今季のサガン鳥栖で右サイドバックを務める原輝綺にしても、守備的中盤からセンターバックなどユーティリティな特徴を持つ選手ではあるが、サイドバックのスペシャリストではない。そのコメントが、指揮官の本心ではないことは明らかだ。

 では、なぜ森保監督は3-4-2-1を想定したメンバーを招集しておきながら、急造チームにぶっつけ本番の4バックを採用したのか。

 考えられる理由は主に2つある。

 ひとつは、チリの分析を行なった結果、4バックがベストと考えたから。つまり、森保式3-4-2-1では格上チリに対抗できないと判断し、4バックを採用した。これは、カウンター用に前田を右ウイングに配置した事実にも矛盾しない。

 もうひとつは、来年の東京五輪を見据えてU-22代表も4バックをメインにしたいと考えているから。これは、森保監督自身がA代表の指揮で培った4バックに好感触を抱いているため、今後は東京五輪を目指すチームにもそれを浸透させたいと考えているととらえることができる。

 同時に、これまで横内昭展コーチに指揮を任せていたU-22代表が、今大会を機に、東京五輪用チームとして本格始動したことを意味する。この場合、コパ・アメリカ以降も東京五輪用チームの試合では4バックをメインに強化が進められるはずだ。