2019.06.13

トゥーロン国際決勝進出。U22代表で見る
森保式3バックと日本の相性

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by MEXSPORT/AFLO

 この手の好ましくないボールの奪われ方を、日本はメキシコより数多くしていた。なかなか自分たちのペースに乗れず、相手を追いかける苦しい展開になった理由だ。

 だが、例外もある。後半27分相馬が記録したゴールに至るシーンだ。真ん中で、川井、高宇洋(ガンバ大阪)、旗手怜央(順天堂大)、岩崎、田中碧(川崎フロンターレ)らがテンポよくつなぐ攻撃は、崩しとして鮮やか、かつ完璧だった。

 これがコンスタントにできるなら何も問題はない。だが実際、この試合でこれに迫るプレーはほかに一度もなかった。確率の問題になるが、危険と表裏一体の関係にあるつなぎと言ってもいい。

 少人数で攻めるカウンター攻撃が主体なら、ボールをロストしてもリスクは少ない。だが、中盤でパスをつないでいくサッカーになると、奪われる位置が低くなることも多くなり、危険度は増す。

 日本はパスをつなぐサッカーがしたいのか。後ろから大きく蹴るカウンターサッカーをしたいのか。前者だとするなら、布陣(3-4-2-1)との相性が悪いと言わざるを得ないのだ。

 つい1年と少し前、日本ではその論争が起きたばかりだ。

 後ろから大きく蹴るハリルホジッチのサッカーは、日本の目指す方向ではないと判断された結果、西野ジャパンが誕生したのではなかったのか。森保式3バック(3-4-2-1)はハリルホジッチのサッカーと親和性が高い。実際、森保監督はトリニダード・トバゴ戦の会見でこう語っている。

「ロシアW杯に西野さんのコーチとして参加してみて、このほう(4-2-3-1)が日本人には合っているのかなと感じた」

 それは言い換えればこうなる。従来の4-2-3-1の方が3-4-2-1より、パスをつなぐ日本のサッカーに合っている。だから、森保監督はA代表監督に就任するや、4-2-3-1を選択した、と。

 しかしそれは、横内コーチが監督代行を務めるU-22には適用されなかった。そして森保監督は今回、A代表にも3-4-2-1を採用した。ロシアW杯時に抱いた思いとは異なる、従来の森保式に回帰しようとしている。これは結構な問題だ。