2019.06.12

森保式3バックはA代表にハマるのか。
エルサルバドル戦を数字で検証

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 それは、2ゴールを決めるなどゲームを支配していた印象を受ける前半の日本のボール支配率が、50.8%にとどまったことと無関係ではない(最終的な日本のボール支配率は48.9%)。また、トリニダード・トバゴ戦と比べて、シュート数や決定機が少なかったことにも関係する。

 59分のシステム変更前に、3-4-2-1で戦った日本が見せた連動性のある良い攻撃は、35分に橋本が入れた縦パスを南野がダイレクトで永井に預け、永井がボックス内でシュートを放ったシーン(GKのセーブでコーナーキックに)と、後半早々の50分、相手のクリアを小林がそのまま頭で堂安にパスし、堂安がダイレクトで南野につないでフィニッシュに持ち込んだシーンだけと言っていい。

 「連動性のある攻撃」「厚みのある攻撃」とは、森保監督がよく口にするフレーズだが、この試合では3-4-2-1で戦うなかで、それ以外に縦パス後のダイレクトプレーでフィニッシュに持ち込んだシーンはなかった。先制ゴールに象徴されるように、ほとんどの攻撃が単発だったのだ。

 実際にネットを揺らしたのはエルサルバドル戦だけに、これをどう評価するかは意見が分かれるところだが、少なくとも、1トップのキャラクターが変わったことで攻撃パターンが大きく変化したことは間違いない。堂安の存在感が薄かった理由でもある。

 永井の負傷によって、大迫が緊急出場することになったタイミングで、森保監督は畠中に代えて山中亮輔、伊東に代えて室屋成を投入。「事前に伝えていた」という指揮官は、予定どおり、試合中にシステムを4-2-3-1に変更した。すると、その後に中島翔哉と久保が入ったことも加わり、日本の攻撃は明らかに活性化した。

 ボール支配率は、後半開始15分間の37.3%から、15分刻みで46.7%、56.1%と上昇。エルサルバドルが70分以降に4人の選手交代を行なったことも影響したと思われるが、後半の日本のシュート数7本のうち、5本がシステム変更後に記録したものだった。

 これだけを見ると、たしかに試合中のシステム変更も成功したように見えるが、しかしそれはシステム変更によって攻撃的にシフトチェンジするという狙いがあってこその話だ。そこが曖昧になっている以上、今回のシステム変更が成功したと評価するのは早計だろう。