2019.06.12

森保式3バックはA代表にハマるのか。
エルサルバドル戦を数字で検証

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 まず、この試合で日本が見せたクロスは、前半4本、後半5本の計9本のみ。しかも前半の4本は、最もクロスを入れやすいポジションとされるウイングバックの原口が1本で、それ以外の3本は1トップの永井(2本)とボランチの小林(1本)という内訳だった。

 これに対して、トリニダード・トバゴ戦では前半20分以降にクロス供給が増えて、最終的に24本を記録(前半11本、後半13本)。同じ前半の内訳を見ると、長友佑都が4本、酒井宏樹が2本と、ウイングバックからのクロスが半分以上を占めている。

 もちろん、トリニダード・トバゴとエルサルバドルの特徴や戦術が異なるため、100%日本の狙いによるものとは言えないが、それを前提にしたとしても、サイドからの攻撃回数は、1戦目よりも確実に減ったという事実に変わりはない。

 では、なぜサイドからのクロスボールが減ったのかと言えば、答えはシンプルだ。縦パスが増えたからである。

 前半から積極的に攻撃のスイッチを入れた日本は、前半だけで縦パス28本。途中でシステム変更を行なった後半は18本に減ったものの、トータル24本だったトリニダード・トバゴ戦よりも1試合で22本も増えたことになる。

 その最大の要因となったのが、1トップでプレーした永井のプレースタイルにあることは言うまでもないだろう。ポストプレーを武器とする大迫勇也と違い、永井の武器は縦へのスピードだ。それを証明するかのように、この日の日本はスペースを狙った縦パスを多用した。永井以外にも、左サイドの原口や南野が裏に飛び出すタイミングを狙ったものも多かったという点も、攻撃の特徴になっていた。

 しかしながら、縦パスがよく入ったからと言って、この試合の日本の攻撃が効果的だったかと言えば、必ずしもそうとは言えない。

 スペースを狙ったボールを縦に蹴る場合、狙った味方にピンポイントで合わせられなければ、相手ボールになってしまうからだ。しかも、足元へのくさびと比べて確実性が低いため、成功率も決して高くない。