森保式3バックはA代表にハマるのか。エルサルバドル戦を数字で検証 (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 森保監督の選手起用傾向からすれば、2試合をAチームとBチームに分けて全員を使うのが常套手段のため、そこに深い意味はないように思われるが、しかしキャラクターの異なる選手を両ワイドに配置したことで、どのような変化が起こるかは要注目だ。

 そして前線は、右シャドーに堂安律(フローニンゲン)、左に南野拓実(ザルツブルク)、1トップは鈴木武蔵(コンサドーレ札幌)に代わって追加招集された永井謙佑がスタメンを飾った。また、香川真司(ベシクタシュ)が負傷によりメンバー外となったことで、中山と同じく、トリニダード・トバゴ戦はスタンド観戦となっていた久保がベンチ入りを果たした。

 ちなみに、この日もメンバー外となったベテランのGK川島永嗣(ストラスブール)とFW岡崎慎司(レスター)は、コパ・アメリカ用メンバーにも登録されている。コパ・アメリカは東京五輪用チームの強化試合と位置づけた森保監督としては、彼らをオーバーエイジ枠のイメージでメンバー入りさせたと見ていい(所属チームの事情で今回参加できなかったDF植田直通/セルクル・ブルージュは、コパ・アメリカには参戦する予定)。

 果たして、スタメンの約半分がBチームで編成されたこの試合の日本は、Aチームで戦ったトリニダード・トバゴ戦とは明らかに違った傾向のサッカーを見せた。

 以下は、試合後に3バックでの攻撃の改善点を問われた森保監督のコメントである。

「(今日は)DFラインから前線にボールを運ぶときのポジショニングで、3バックでそのままビルドアップする形と、ボランチ1枚がDFラインに下りてビルドアップする形で、より幅を使って揺さぶりながら高い位置にボールを運び、そこからセンターバックが前線のスペースに進入していく形を、1試合目のビデオやトレーニングで確認して試合に臨んだ。選手たちは限られた時間のなかで、いいイメージを持ってトライしてくれたと思っている」

 満足そうに振り返った指揮官の評価を額面どおり受け止めるかどうかは別として、たしかにこの試合の日本の攻撃には変化があった。それが、前の試合と比べてサイドからのクロスボールが大きく減った点と、縦パスが増加した点だ。

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