2019.06.11

ブラジル人記者が本音で嘆き
「日本はコパ・アメリカを軽んじてないか」

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳translation by Tonegawa Akiko

 オリンピックに向けて準備すると言うなら、日本サッカーのよさをより広く知らしめることも大事なのではないか。昨年のロシアW杯では、せっかく日本はそのすばらしさを世界にアピールできたというのに......。

 だいたい、東京オリンピックで金メダルを取るためにこのチームを編成したと言うのなら、なぜ初招集の選手がこれほど多いのか。チーム作りは365日などではできはしない。それなのにコパ・アメリカでプレーする日本の選手たちは、これまで一緒にボールを蹴ったことがないメンバーも含まれ、もしかしたら、彼らは顔を合わせたことさえないかもしれないのだ。「オリンピック対策」という理由は、南米の人間にとっては詭弁にしか思えない。

 まして日本人は、何事においても緻密に計画を立て、準備万端にして物事に臨むことで有名な国民ではないか。アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、そしてブラジルサッカーの粋を集めたチームを相手に、サッカー王国ブラジルを舞台に戦うのに、日本がその場しのぎのチームで臨むのは本当に残念としか言いようがない。これが率直なブラジル人の感想だ。

 もうひとつ腑に落ちないことがある。コパ・アメリカが始まる前に、日本は2つの親善試合を戦った。相手はトリニダード・トバゴとエルサルバドル。どちらもコパ・アメリカ本戦には出られもしないチームだ。大陸が異なるからということではない。とても出場するに足る実力を兼ね備えていないという意味だ。

 しかもその2試合を、日本はコパ・アメリカ組よりも多くの経験豊かな選手を使って戦ったというではないか。ここまでくると、多くの南米の人間は、日本が何を考えているのかわからなくなってしまう。メッシやガブリエル・ジェズス(ブラジル)、ハメス・ロドリゲス(コロンビア)に対峙するのにあたって経験のない若手を使うというのに、トリニダード・トバゴ(FIFAランキングは93位だ!)には大迫勇也や長友佑都で戦ったのだ。