久保建英と永井謙佑に「頼った」。
森保ジャパンは強くなっているのか

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 前半42分にもゴールを決めた永井だったが、後半早々、ケガでリタイア。その後、久保が登場したことも手伝い、ヒーローとしての存在感を低下させることになった。忘れてならないのは、彼は鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)がケガで参加を辞退したために、追加招集された選手だということだ。

 もしこの試合で永井の活躍がなかったら、森保監督の評価はどうなっていただろうか。後半15分から布陣を4-2-3-1に代えたり、久保を投入したり、森保監督はともすると采配上手として株を上げた可能性がある。しかし、その陰には永井あり、だ。それを忘れて先に進もうとすると、しっぺ返しを食うだろう。

 森保式3バックの採用、久保の代表デビューで湧いたこの2連戦だが、日本代表は強くなっているのかという根本的な問題に立ち返ると、厳しめな言葉しか浮かばない。18歳になったばかりの久保が救世主に見える現状を、むしろ嘆きたくなる。ロシアW杯からはや1年。日本代表のチーム力そのものは上がっていない。

 弱すぎる相手に勝利して肯定的になる姿が、危なっかしく見えて仕方がない。



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