2019.06.09

無得点の原因は。3バックの森保ジャパンの課題を検証する

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 そのなかで、大迫のポストプレーから前を向いた状態のシャドーがパスを受けてフィニッシュまで持ち込む得意のパターンを見せたのは2回。5分に柴崎の縦パスを大迫がダイレクトで左の中島に預け、中島がキープしてからシュートしたシーン。46分に冨安が入れたくさびを大迫が堂安につないだあと、堂安がドリブルしてから中島にパスし、中島がボックス内から左足でシュートを狙ったシーンだ。

 連動性という部分では後者が際立つが、そこに南野が加わった4-2-3-1のときと比べると、ゴールの可能性が低下した印象は否めない。選択肢が一手少ない分、相手にとっては対応がしやすく、前線の人数が4-2-3-1よりも下回る3-4-2-1における中央攻撃のデメリットが見て取れる。

 一方、縦パスが減った日本ではあるが、サイドからのクロスボールは前半の11本から後半13本に増加した(失敗も含む)。とりわけ20分までのクロスが2本しかなかったことを考えると、攻撃の選択肢がサイドに移ったと見てよさそうだ。

 しかし、そのうちフィニッシュにつながったのは、7分の中島のクロスを堂安がヘッドで狙ったシーンと、24分に酒井が右から入れたクロスを大迫が直接狙ったシーンの2回だけ。その他の22本のクロスボールではチャンスを作ることはできなかった。

 3-4-2-1の場合、4-2-3-1よりもクロスに対する的が少なくなる傾向があるうえ、空中戦に強い選手が前線でプレーしているわけではない事情も考えると、何かしらの工夫は必要になる。3-4-2-1の攻撃における課題と考えていいだろう。

 結局、日本は後半に14本のシュートを記録したものの、そのうち10本が終盤80分以降に記録したことを考えると、時間の経過とともに攻撃が機能し始めたとは言い難い。しかも、68分以降のトリニダード・トバゴは、負傷や疲労で次々と選手交代を強いられ、ゴール前を固めて守るのが精一杯だったことも、付け加えておく必要がある。