無得点の原因は。3バックの森保ジャパンの課題を検証する

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 森保ジャパンが、3月26日のボリビア戦以来となるAマッチを行ない、CONCACAF(北中米カリブ)地区のトリニダード・トバゴ相手に無得点ドローを演じた。前半11本、後半14本と、計25本ものシュートを記録しながら1ゴールも決められなかったが、それについては、決定力不足を指摘されるのも当然と言える。

中島翔哉も積極的にシュート打ったがノーゴール中島翔哉も積極的にシュート打ったがノーゴール 森保一監督は今回のAマッチ2試合を、9月からスタートする2022年W杯アジア予選に向けた準備試合と位置づけた。もちろん対戦相手がトリニダード・トバゴとエルサルバドルゆえ、アジア対策と言うには無理がある。しかし、9月まで試合が予定されていないのも事実で、この2試合をいかに有効に活用するかが問われることになった。

 大きなトピックとなったのが、森保監督のトレードマークでもある3-4-2-1にトライしたことだ。昨年10月のAマッチ2試合で、可変システムによって3バックのエッセンスを導入していた点を考慮すれば、"初めてスタートのフォーメーションとして試した"と言える。

 指揮官が選んだスタメンは、GKはシュミット・ダニエル(ベガルタ仙台)、3バックは右から冨安健洋(シント・トロイデン)、昌子源(トゥールーズ)、畠中槙之輔(横浜F・マリノス)。コンディション不良により招集外となった吉田麻也(サウサンプトン)がいれば、冨安、吉田、昌子という並びになっていた可能性もあるが、まずは今回招集したメンバーのなかでベストと思われる3人をチョイスした格好だ。

 ウイングバックは右に酒井宏樹(マルセイユ)、左に長友佑都(ガラタサライ)。ボランチ2枚は守田英正(川崎フロンターレ)とキャプテンマークを巻いた柴崎岳(ヘタフェ)、前線は1トップの大迫勇也(ブレーメン)の後方に、右に堂安律(フローニンゲン)、左に中島翔哉(アル・ドゥハイル)を配置した。

 一方、2006年W杯にドワイト・ヨークを擁して出場した経験を持つトリニダード・トバゴは、当時センターバックを務めていたデニス・ローレンス監督が率いるCONCACAF地区の第2勢力のひとつ。侮れない相手ではあるものの、格下であることは間違いなかった。

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