U-20代表は、11年前の香川真司を教訓に久保建英を招集すべきだった

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

 U-20ワールドカップに出場した日本は、決勝トーナメント1回戦で韓国に敗れ、ベスト16敗退に終わった。

 日本がこの大会のベスト16で敗退するのは、2005年、2007年、2017年大会に続き、4大会連続。アジア予選で敗退した4大会を挟み、ベスト8の壁に阻まれ続けている。

 とはいえ、今大会に関しては、力不足で世界の分厚い壁にはね返されたという印象はない。それどころか、日本の選手たちはよく戦った。攻守の切り替えの速さや、ボールを奪いにいくときのプレー強度、さらには組織的な連動性の高さは、今大会でも屈指だった。

 世界大会になると、どうしても日本のDF、とくにセンターバックは、能力の高い外国人FWに手玉に取られてしまうことがある。だが、今大会ではそんなシーンはほとんどなかった。

 できるだけ高い位置で人数をかけてボールを奪い、早めに相手の攻撃の芽を摘む。それができていた日本は、FWの高い能力をまともにDFが受け、危険にさらされること自体が少なかったからだろう。

 また、メキシコ戦以外は得点こそ少なかったが、テンポよくボールを動かし、相手の守備を破る(チャンスを作る)ことはできていた。ボールを持たされ、手詰まり感が漂うこともなかった。

 イタリア戦では再三、パススピードが遅くなったところを狙われ、ボールを失うことがあった。しかし、続く韓国戦では、それも修正されていた。彼らが見せた適応能力は見事だった。

 ただ、それだけにもっと先が見たかった。影山雅永監督も選手に対し、「ここで負けると思っていなかったから、このチームが解散になることを今はそんなに考えられない」と語ったというが、その心境は理解できる。ベスト16で今大会を終えたことが、非常に残念で、もったいなく思える。

 日本戦以外の試合を取材していても、今大会は突出した力を持つチームがなく、日本がどうにも歯が立たないと思わされるチームには出会わなかった。実際、優勝候補と目されたポルトガルがグループリーグ敗退に終わり、フランスも決勝トーナメント1回戦でアメリカに敗れている。

 それを考えると、日本も上位進出できたのではないか。より具体的に言えば、ベスト4進出はかなり現実的なターゲットとなり得た。いや、もしかすると、黄金世代が1999年大会で残した快挙、すなわち、準優勝さえも超えられたかもしれない、とさえ思う。

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