2019.06.06

日本が韓国に敗れた最大の理由。
「あんなにダメージがあるなんて…」

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

 両チームともに間延びし、危うい状態に陥りながら、しかし、どちらもそこを突いて得点することができない。ボールが行ったり来たりを繰り返し、日本は前半のように落ち着いて試合を進めることができなかった。

 結局、「(試合を)90分で見ていた」(藤本)はずの日本だったが、「(前半に)ボールを回して相手を疲弊させてから、90分の最後のところで勝利できればよかったが、逆にひとつのミスで失点してしまった」(藤本)。

 後半39分の失点シーンにしても、直接的にはDF菅原由勢のパスミスによるものである。菅原が奪ったボールを味方につなごうとして、相手に渡してしまったことが失点に直結した。

 だが、その直前の場面では、MF山田康太が攻め急いでボールを失っている。そこから、相手にボールをペナルティーエリアまで運ばれ、それを菅原が奪い返し、という流れで失点シーンに至っている。行ったり来たりの落ち着かない試合展開、つまりは、危うい流れを放置した結果の失点だったとも言える。「そこは試合のなかで改善できる部分」(藤本)だっただけに悔やまれる。

 とはいえ、後半の日本がリズムを失ったのは、韓国の布陣変更や暑さだけが原因ではない。そこにはアクシデント(結果的に、正当な判定が正当に下されたことをアクシデントと表現していいのかわからないが)も加わった。

「ゴールになった喜びをみんなであれだけ分かち合ったあとに、VARで取り消させるのは、あんなにダメージがあるんだなというのをすごく感じた」

 そう語ったのは、齊藤未だ。

 日本は後半5分、宮代のシュートを相手GKがはじいたところをMF郷家友太が押し込み、先制点を奪った、はずだった。

 ところが、最初のシュートを放った宮代がオフサイド。齊藤未からのパスが出た瞬間、4、5人の日本選手がオフサイドライン前後にいたため、肉眼で判定を下すのは困難だったが、今大会で導入されているVARの映像を見れば、宮代のオフサイドは明らかだった。

 判定自体は仕方がない。だが、一度喜びを爆発させたのち、水を差されるように試合再開を待たされ、挙句にノーゴールとなった数分間が、潮目を変えた。