2019.06.05

ゲンク・伊東純也が明かす
「プロになれる」手応えをつかんだ瞬間

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • 渡辺航滋●撮影 photo by Watanabe Koji

―― その感触を得たきっかけは?

伊東 それまで、僕は高いレベルでサッカーをしたことがなかったので、自分がどのぐらいのレベルなのかわかりませんでした。でも、大学でプレーしてみたら、意外とやれたんです。

 1年、2年の時は関東大学リーグ1部だったので、対戦相手にはJリーグのユース出身者や、高校選手権で活躍した選手がいました。そのなかで、強豪校出身でもない自分が1年生からリーグ戦に出場することできて、プレーも普通に通用したんです。

 そのあたりから、「自分のレベルは他校の中心選手とあまり変わらない」と感じました。3年先輩に佐々木翔(ヴァンフォーレ甲府→サンフレッチェ広島)さんがいて、甲府のスカウトの方が見に来ていた時、僕が1年生で試合に出ていたんです。その縁で、甲府にお世話になりました。

―― 地元・神奈川を離れて、甲府という新たな土地での挑戦が始まりました。イチから友だちも作らないといけない環境ですよね。その後、わずか1年で柏レイソルへの移籍も果たしました。プロの世界に慣れるのは大変でした?

伊東 いや、割と大丈夫でした。

―― もしかしたら、ひとりで国体のセレクションに行っても、大丈夫だったかもしれないですね。

伊東 そうかもしれないですよね。あの時の自分はワガママでした。ただ、若いうちに海外に行くのがベストだとは思いますが、僕には無理だった。だから、26歳でヨーロッパに来たのは、僕のなかでは最短だったと思います。

―― ゲンクのフィリップ・クレマン監督は、「伊東は26歳で経験豊富だから、ひとつ教えると自分で考え、それ以上のことをやってくれる」と言ってました。また、ベルギーのメディアは「22歳でプロになり、26歳でベルギーに来たが、まだ伸びしろがある。ゲンクはすごい原石を見つけた」と評しています。

伊東 ゲンクはとくに若いチームですからね。キーパーのダニ(ダニエル・ブコビッチ)が一番年上で34歳。フィールドプレーヤーだと28歳のセバ(セバスチャン・デワースト)が一番上で、その次が僕かな。アリ(ムブワナ・サマッタ)は僕と同じ歳ですけど、(日本式の)学年だとひとつ上になって、(ルスラン・)マリノフスキーは僕と同じく1993年生まれですが、学年はひとつ下。あとは全員、年下です。