2019.06.05

黄金世代・永井雄一郎がドイツから戻って
浦和で味わった強烈な競争

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

「俺は、指導者になりたいわけじゃないんですよ。チーム内にいながら、自分もサッカーを勉強しつつ、その変化も伝えていきたい。サッカーはいつも一緒じゃないから、現状のサッカーを把握する目を持ち、それに適応している選手が長くサッカーをできると思うんです。そのために自分がまず勉強して適応し、チームのみんなにスキルや戦術を落とし込んで、よりよいサッカーを作っていきたいですね」

 永井と同世代の選手たちは、ガンバ大阪の遠藤保仁のようにJ1でプレーしている選手がいる一方で、昨年は小笠原満男が引退した。多くの選手が引退していくなか、永井も昨年にはアキレス腱を切る大ケガを負った。それでも永井はピッチに戻ってきた。

「今、カテゴリー的にはプロとは言えないところでやらせてもらっているけど、年々、自分はサッカーが好きなんだなぁと感じている。だから、好きなサッカーを自分からやめようという発想にはならないですよ。昨年、アキレス腱を切った時も妻はやめると思っていたらしいけど、俺が『続ける』と言ったら『そんなに大きなケガをしているのにやめようと思わないんだ』と言われたんです。そう、やめたいと思わなかった。今年、40歳になって体は昔のように動かないけど、今は今のサッカーを楽しんでいる感じです」

 現実的には、自分のイメージと実際の動きのギャップに苦しむことが増えた。それだけに、Jリーグで活躍している同世代の選手に対しては「すごいな」と単純に思う。プロとしてお金をもらい、責任ある立場でプレーし、若い優秀な選手が多いなかで今も輝いている彼らの姿に、永井は刺激を受けるのだという。

「プラチナ世代とかいろいろ期待された世代があったと思うけど、なかなか結果を出せていない感じですよね。女子サッカーはW杯で優勝したから俺らの記録を抜いたけど、(男子は)俺らの世代を超える選手たちは出てきていない。自分は子供にインパクトを与えられる選手でありつづけたいし、このまま過去の思い出に溺れているわけにはいかない。黄金世代ってスゴいね、って言われるようにやっていかなきゃいけないし、そういう選手じゃないと黄金世代と言ってはいけないと思う」

 永井は凛々しい声で、キッパリとそう言った。