黄金世代・永井雄一郎がドイツから戻って浦和で味わった強烈な競争 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

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 しかし、永井に対する浦和の期待値は非常に大きかった。2003年にはミスターレッズの9番を受け継ぐことになった。誰でも背負える背番号ではない。しかし、永井はチームの期待とは別の感情を抱いていた。

「2002年には7番をつけていたんですけど、岡野(雅行)さんが抜けた後で自分がつけたかったこともあってその番号になったんです。でも、03年にエジムンドがくるから7番を空けなければならない流れになりました。9番は期待してもらっていると実感ができ、ありがたい話でもあったんです。『9番をつけてミスターレッズになれ』と言われたけど、番号を引き継ぐと前任者のイメージとも戦わないといけない。クラブはいろんな負荷をかけてくるな、って思いましたね。そのままレッズは9番で、次に移籍した清水(エスパルス)も9番を用意してくれて......。9番はレッズで終わりにしたかったんですけど(苦笑)」

 永井はレッズを2008年に退団した後、清水、横浜FC、アルテリーヴォ和歌山、ザスパクサツ群馬でプレーし、2018年に神奈川県1部リーグのFIFTY CLUBに移籍した。練習は夜、週に数回というアマチュアのクラブだが、永井はそこでプレーすることの面白さを感じている。

「大きな目標は、今のチームを上のカテゴリーに上げること。自分はプロ契約してもらっているけど、他の選手は仕事を持ちながら週に数回しか練習ができないので、自分の感覚だけでサッカーやっている人が多いんです。そこで自分の経験や知識を通して、『そうなんだ』という違う世界を見せていきたい。今のチームは基本的に個人技のサッカーをしているから、『チームとしてこうやると個人もこう変わるよ』と見せることで個人が変われば、もうひとつ上のレベルの話ができるようになっていく。そうやって、サッカーってこういうものなんだ、ということを体感してレベルアップしてくれるとうれしいですよね」

 永井の発言を聞いていると、指導者になって自分の考えやサッカー観を選手に落とし込んだ方がいいのではないか、とも思う。

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