吉田麻也が語る、冨安健洋への大きな期待。「プレミアにいずれ来る」 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 それは冨安だけではなく、海外に出ている他の若い選手たちも一緒です。僕より上の世代の人たちも、みんなそうやってきた。代表からクラブに帰ってくると、試合に出られない。僕はそういう歯がゆい思いを毎回しているけど、こうした状況もなんとか変えてほしい。僕はあんまり変えられていないので、若い世代で変えていってほしいですね」

 吉田がVVVフェンロから、サウサンプトンに籍を移したのが24歳の時。VVVフェンロでの活躍が認められ、2012年のロンドン五輪後にイングランドへ渡ってきた。

 そこで、吉田にもうひとつ尋ねてみた。「冨安選手に『プレミアに来いよ』と言ったりしないの?」。吉田は答える。

「いずれ来るんじゃないですか。その時のためにも、『語学も勉強しろよ』と言ってあります。アジアカップは長かったので、いろいろ話す機会があってよかったなと思っています。冨安もそうだし、他の若い選手たちも向上心があり、これからが楽しみだなと感じています」

 そう語ると、吉田は柔和な笑顔を見せた。その表情は、冨安を含む若手の成長を温かい眼差しで見守っているようだった。おそらく、吉田が発した言葉や助言は、アジアカップの大会期間中に冨安のもとにも届いているだろう。

 果たして、日本代表はキリンチャレンジカップと南米選手権でどのような戦いを見せるか。冨安にとっても、今シリーズは大きな試金石となる。

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