吉田麻也が語る、冨安健洋への大きな期待。「プレミアにいずれ来る」 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 現代サッカーにおいて、センターバックに求められる能力やタスクは実に多い。相手FWとの競り合いはもちろん、ハイラインを敷いて背後のスペースをカバーしたり、足もとの巧さも必要になる。最終ラインからのビルドアップや、ドリブルでの持ち上がりなど、さまざまな仕事をこなさなければならない。

 世界最高峰と呼ばれるプレミアリーグで7季目を過ごした吉田は、その重要性を痛感しているという。求められるのは「オールマイティなCB」。実際、今季の吉田は3バックのCB中央として最終ラインを統率し、縦パスやビルドアップで攻撃の起点にもなった。

 プレミアで7季にわたり生き抜いてきた30歳DFは、自身と冨安のタイプが似ていると話す。

「冨安は、僕とタイプが似ていると思うんですよね。自分で言うのもアレなんですけど、何かが突出しているというのではなく、全体的にベースがある。全体的にそつがない。

 足が遅くもないし、身体が弱いわけでもないし、高さがないわけでもない。オールマイティにできるセンターバックは、現代フットボールで欠かせない。現代のCBは競り勝たないといけないし、パス出しもしないといけない。つまり、何でもやらないといけない」

 プレミアリーグの強豪クラブには、リバプールのフィルジル・ファン・ダイク(オランダ代表/27歳)やトッテナム・ホットスパーのトビー・アルデルヴァイレルト(ベルギー代表/30歳)、マンチェスター・シティのジョン・ストーンズ(イングランド代表/25歳)やアイメリク・ラポルテ(前U-21フランス代表/24歳)といった、オールマイティなセンターバックがひしめいている。対峙するFWも、ワールドクラスのストライカーばかりだ。

 そんなハイレベルな場所に身を置いているからこそ、吉田は冨安にアドバイスを送る。移籍でステップアップし、自身のレベルアップにつなげていくことが大事になると説いた。

「(シント・トロイデンから)次のステップを踏み、リーグのレベルをもう一個上げる。そして、代表の一員として日本との行き来をし、時差やコンディション、所属クラブの監督からの信頼など、いろいろなものと戦わないといけない。それができるかどうかが、今後のカギになると思います。

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