播戸竜二が語る世界2位。日本には「小野伸二という『太陽』がいた」 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

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 同チームにおいて、FWは高原直泰が一番手で、アジア予選ではそのパートナーを播戸が務めていた。しかし、強力なライバルの出現で、播戸のスタメン出場は怪しくなった。代表入りに喜んだのも束の間、播戸は早々に試合に出られない覚悟を決めていたという。

「メンバーを見たら、自分(の立ち位置)がどこにおんのか、わかるよね。あの時も、スタメンを狙うというよりも、サブとして『このチームにどう貢献できるか』っていうことをすぐに考え始めた。それがええのか、悪いのかわからんけど、ガンバでも途中出場が多かったし、そういう状況に慣れているっちゃ、慣れていたんで」

 直前のフランス合宿を経て、開催地のナイジェリアに入る前、播戸は"控え組"としてのルールを自らに課した。

「まず、チームの輪を絶対に乱さないこと。チームの雰囲気をよくするために、ムードメーカーになること。練習中から盛り上げて、試合に出たら結果を出す。そして、トルシエ監督をイジる。

 監督をイジるっていうのが(チームが)一番盛り上がるんやけど、それをやったら、トルシエ監督もちょっとうれしそうやったんで、これはイケるな、と。(チームが結果を出すうえでは)監督と選手の間で、いかにいい関係を作れるかっていうのは、すごく大事なことやからね」

トルシエ監督のモノマネをするなどして、チームを盛り上げた播戸(中央)。photo by Yanagawa Goトルシエ監督のモノマネをするなどして、チームを盛り上げた播戸(中央)。photo by Yanagawa Go 大会が始まって、初戦のカメルーン戦は1-2で敗れた。それでも、播戸曰く「まったく悲壮感はなかった」。通常、国際大会の初戦を落とすと、グループリーグ突破がかなり難しくなり、チーム内に動揺が走るものだが、そんな空気は微塵も感じられなかったという。

「これで『終わりやな』っていう雰囲気がなくて、『次、またがんばろうぜ』って感じやったね。なぜ、そうなれたか? それは、自分たちに絶対的な自信があったから。この時だけじゃなくて、いつも(このチームは)自信満々やった。

 みんな、昔からサッカーがうまくて、その地域では敵ナシ。"王様"だった。それは、いくつになっても変わらへん。だから、この時も『自分たちのほうがうまいし、ええサッカーをしている』『次、勝てばええやん』と、自分も思っていたし、そういう強いメンタルをみんなが持っていたと思う」

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