U-20W杯初戦はドロー。エクアドルに苦戦を強いられた日本の誤算 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

 とはいえ、影山監督が「初戦で相手に勝ち点3を渡し、自分たちがゼロで終わることは避けたかった」と語ったように、グループリーグ全体の戦いを考えれば、貴重な勝ち点1である。

 こうした大舞台の初戦で若い選手がナーバスになり、思ったようなプレーができないのは、ある意味で当たり前のこと。そのなかで敗れてしまえば、次戦以降、さらなるプレッシャーに襲われる、負の連鎖に陥りかねなかった。そんな大事な初戦で、内容が悪いなりにも勝ち点1を確保できたのだから、グループリーグ突破へ向け、まずまずのスタートである。グループリーグ第2戦のメキシコ戦では、もっと落ち着いて試合を進められるはずだ。

 ただ、次戦以降へ向け、少々気になったのは、選手ごとの出来不出来の差がかなり大きかったことである。

 世界大会ゆえの緊張の有無によるものなのか。あるいは、日常的な試合勘の違いが影響しているのか。その理由はわからない。だが、こうした短期決戦を勝ち上がるうえでは、戦力として計算できる選手を素早く、かつ的確に見極めることが、非常に重要になる。

 調子が悪い選手でも、我慢して使い続けることでラッキーボーイに化ける可能性はもちろんあるが、ときに非情な決断も必要だ。中2日で迎えるメキシコ戦で、影山監督はどんな選手起用を見せるのか。注目したいポイントである。

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