無理...と思ったら天職だった。松本泰志は最強ボランチへ進化する (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • (株)サンエス秋田耕二●撮影 photo by Akita Koji, AFLO

―― なんで、また?

松本 足が速かったんですよ。

―― 普通、足が速いならFWなのでは?

松本 そうなんですけど、前にはタレントがいたんです。僕自身も前をやりたかったんですけど、みんなのほうが明らかにうまかったので、センターバックしかないかなって。足が速いから、カバーリングして。で、負けていたらFWに移るという感じで。だから、センターバック、ボランチ、2列目ってだんだん前に上がっていったんです。

―― 高校時代の監督は「将来はボランチだろう」と言っていたそうで。

松本 当時、トップ下とか左サイドで使ってもらっていて、ボランチはタケ(針谷岳晃/ジュビロ磐田)がやっていたんです。でも、「お前は絶対、将来ボランチだよ」ってずっと言われていて。ドリブルが得意だったし、得点力もあるほうだったので、前で使ってくれていたと思うんですけど。

―― それに対して、どう思っていた?

松本 いや、ないだろうって(笑)。正直、これだけ前でやっていて、ボランチは無理でしょうって。でも、プロになって実際、ボランチになったので、ずげえなって。

―― なぜ、将来はボランチなのか、理由は言われたんですか?

松本 いや、言われていないんですよね。だから今となっては、気になりますね。

―― 今、ボランチになって、高校時代に2列目をやっていてよかったな、と思うことは?

松本 前の選手の気持ちがわかることかな。いつほしいとか、どこでほしいとか、今、出されたらきついとか、そういうのがわかるのは、前をやっていてよかったなと感じることですね。あと、ボランチはパサーが多いと思うんですけど、あの位置からドリブルでかわしていけるのも、前をやっていたおかげですね。

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