W杯タイトル奪還へ。なでしこジャパン高倉監督のメンバー選考の狙い (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 チームを支えるという有吉の姿勢はスタメンのピッチに立っていても、控えのベンチに座っていても終始変わることはなかった。「ピッチ外でできることは何でもやります」と自ら若手の中に飛び込んでいった有吉。そうした選手がいた結果、このチームの修正力は確実に育っていった。彼女の惜しみない尽力に心から敬意を表したい。

 有吉だけでなく、多くの選手のプレーが重なり合い、刺激を与え合い、この23名に凝縮された。今年に入ってからの試合でも、課題は山積だった。恐れを知らないからこそ発揮できる大波を生むこともあれば、経験不足から来る崩落も味わった。

「普通にやっていたら勝てない。大会に必要なことは、あるときは何かを壊し、また作り上げるという作業をしながら頂点に強い想いを持つこと」と指揮官は語った。ここからはアピール合戦ではなく、チーム構築に全力を注がねばならない。「すべてはこのワールドカップのためだった」と、胸を張れる大会にしてほしい。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る