堂安律に追いつきたい田川亨介。U-20W杯で活躍して道を拓く! (3ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki, AFLO

―― 東ティモール戦のPKも、田川選手が自分で取ったものでした。

田川 そうなんです。だから、蹴りたくなかったんですけど、キッカーが決まってなくて、自分で蹴りにいったら、案の定......(苦笑)。

―― U-22日本代表で、田川選手は3-4-2-1の1トップで起用されている。1トップは裏を狙うだけでなく、2シャドーを生かすなど、役割は多岐にわたります。

田川 ポストプレーで2列目を生かさないといけないんですけど、去年から経験してきて、相手DFとの駆け引きはわかってきたつもりです。シャドーの2枚にはうまい選手が入るので、簡単にはたいて裏を狙うのが一番効くというか。キープして展開するのはもちろんですけど、そのあと自分がどう関わればゴールに向かえるか、いろいろ整理できるようになりましたね。

―― 前田大然選手(松本山雅)、上田綺世選手(法政大学)、小川航基選手(ジュビロ磐田)といったライバルがいるなかで、彼らと異なる自身の強みは?

田川 大然とはタイプが似ていると思うんですけど、クロスからのヘディングは自分の強みだと思うので、そこは東京で磨いていきたいです。あのチームは相手を押し込むことができるし、サイド攻撃も武器のひとつなんですけど、ゴール前に自分しかいないことも多いので、簡単じゃないですけど、ピンポイントで決められるようになれれば。

―― すごく覚えているのが、2018年1月、中国でのU-23アジア選手権で、田川選手が「プロ1年目で点を取ってきたから、ここに呼んでもらえたと思う。今大会でもゴールにこだわってプレーしたい。自分がこのチームを引っ張るぐらいの気持ちでやりたい」と言っていたことです。実際、あの大会ではゴールこそ奪えなかったけれど、ゴールへの姿勢や意欲はかなり出せていた。

田川 そうでしたね。

―― その想いは今でもしっかり持ち続けている? それとも昨年、クラブで生じた迷いが代表でのプレーにも影響している?

田川 本当に去年は、何をしていたんだろうって思いますね。たしかに迷っていたというか......。中国では貪欲にゴールを狙っていたのに、チーム(鳥栖)に帰ってそういう気持ちが徐々に失われていって......。1年目、「自分が、自分が」っていう気持ちでゴールにガツガツ向かって行ったのに、2年目は「あれ?」って思うことが多くなって。

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