2019.04.19

久保建英が筆頭。東京五輪世代はかつてないほど強みが盛りだくさん

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLO

 その点でサガン鳥栖のルイス・カレーラス監督にはひとつ注文がある。今季の鳥栖は開幕から苦戦が続いているが、先日の日本代表メンバーの発表前に「松岡大起を日本代表に推薦したい」と、メディアに対してリップサービスの発言をした。

 直近の試合でスタメン起用していることからも、17歳の松岡の才能を買っていることはわかる。だが、あのタイミングでの発言は、監督の保身とも受け取れてしまう。松岡を話題にすることで、連敗しているチーム状況から目を逸らせようとしていると見られてしまいかねない。松岡が才能あふれる選手なのは間違いないだけに、大切に育ててほしい。

 10代の若い選手が活躍するとメディアは注目する。しかし、どれだけ試合で活躍したとしても、クラブは彼らがトレーニングに専念できる環境を守るべきだ。彼らがピッチの外でちやほやされるのは、真の実力を身につけてからでいい。

 今回の五輪世代には、すでにA代表でレギュラーになっている堂安律(フローニンゲン)と冨安健洋(シント・トロイデン)がいる。森保監督が就任直後から、ふたりを抜擢した理由は、その才能を評価していることに加え、五輪代表の攻守の軸としてチームを引っ張る存在になってもらいたいからだろう。

 両選手のほかにも、海外クラブでプレーする選手がいるのも今回の五輪代表の特徴だ。伊藤達哉は、ドイツ2部のハンブルガーSVでコンスタントに試合出場を重ねている。DFや守備的MFでプレーする板倉滉はオランダのフローニンゲン、左利きの守備的MFの中山雄太も同じくオランダのズヴォレに所属する。両選手ともに今年から移籍したこともあって出場機会はあまり得られていないものの、海外での経験が生きる日は必ず来るはずだ。

 また、ディフェンシブなポジションに能力の高いタレントが揃っているのも、東京五輪世代の特徴だ。なかでもCBは、今後の日本代表の課題を解消できる人材にあふれている。W杯ロシア大会でベルギーの高さに屈した日本代表にとって、GKを含めた大型化は不可欠な要素だが、冨安が188cm、板倉が186cm。さらに、立田悠悟(清水エスパルス)は191cm、町田浩樹(鹿島アントラーズ)も190cmある。184cmの大南拓磨(ジュビロ磐田)が小さく感じるほどだ。

 昨シーズン、清水でSBとしてもプレーしていた立田にはスピードもあり、町田はレギュラーとしてリーグ戦に加え、ACLでも経験を重ねている。大南も空中戦に強く、スピードがある。彼らが高いレベルで五輪代表CBの座を争い、それがA代表にも波及する日は遠くないはずだ。

 右SBでは原輝綺(サガン鳥栖)がおもしろい存在になっている。市立船橋や各年代代表でCBやボランチとしてもプレーしてきたが、今季から加入した鳥栖で右SBにコンバートされてハマった。CBで磨いてきた対人プレーの強さや危機察知力に加え、アジリティーやスプリント力が生きるようになっている。