久保建英の招集は見送りか。
U-20日本代表、W杯目前に問題山積み

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 先月のヨーロッパ遠征では、ポーランド、アルゼンチン、アメリカ、それぞれのU-20代表と練習試合を行ない、3戦全敗。とりわけ、アルゼンチン戦は衝撃的だったと、藤本は言う。

「切り返しは速いし、ビルドアップのときのパススピードも速いから、ボールを取りにいっても全然取れない。相手がカットインしてくるとわかっていても止められなかった。あれだけ強度の高い試合は、今まであまり経験したことがなかった」

 だからこそ、メンバーに選ばれ、世界大会に出場できたとしても、「そこで何もできないと意味がない。自チームで試合に出なければいけないし、トレーニングから自分を追い込み、もっと強度を上げないといけない」と藤本。現状に「焦りを感じているし、不安もある」と、胸の内を明かす。

 彼らに残された時間は、決して多くはない。直前キャンプまでに予定されているJリーグは、あと4節ほど。ルヴァンカップやAFCチャンピオンズリーグなども加えれば、もう少し試合数は増えるが、それでも実戦を通じてコンディションを高めていくチャンスは数少ない。

 指揮官も、「(Jリーグで試合に出ていない選手には)所属クラブで試合に絡んで、次は(コンディションが)フィットした状態で来てほしい」と願うが、はたして、どれだけの選手が所属クラブでチャンスをつかめるだろうか。

 これから約1カ月間のJリーグが、本番でのパフォーマンスを左右する、ひとつのポイントとなりそうだ。

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