久保建英の招集は見送りか。U-20日本代表、W杯目前に問題山積み (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 ところが、今年6月に18歳になる久保は、FIFAの規定上、その時点で海外移籍が可能になる。古巣のバルセロナはもちろん、レアル・マドリードなども獲得を狙っていると言われ、ただちに移籍決定となれば、移籍先の意向次第で、U-20ワールドカップへの出場がかなわなくなる可能性が十分にあるのだ。

 今回のキャンプに久保が招集されなかったのは、「(日本サッカー)協会とクラブ(FC東京)で話し合って、ノーということになった」(影山監督)とのことだが、本番で招集できないことを見越しての判断とも受け取れる。もし久保を欠くことになれば、U-20代表にとって、大きな痛手であることは間違いない。

 そして、問題はもうひとつ。これは過去のチームも含め、U-20代表が必ず悩まされることではあるのだが、選手それぞれにコンディションのバラつきがあることだ。

 今回のU-20代表の年代――主に1999年、2000年生まれの選手たちは、好素材がそろったタレント世代との評価が一般的だ。それを証明するように、昨秋のアジアU-19選手権(兼U-20ワールドカップ予選)の段階で、すでに登録メンバーの多くが、所属クラブでポジションを勝ち取り、J1やJ2で出場機会を手にしていた。

 しかし、年が明け、新たなシーズンが幕を開けると、状況が変わり始めた。

 18、19歳の選手が所属クラブで出場機会を得ていたといっても、まだまだ確固たる地位を確立していたわけではない。ちょっとしたきっかけ――監督が代わったり、志向するサッカーが変わったりで、ポジションを失うことは珍しいことではない。

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