2019.04.08

辻本茂輝が驚愕。世界2位になった
「黄金世代」は何がすごかったのか

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • 説田浩之●撮影 photo by Setsuda Hiroyuki

 辻本が初めてチームに合流したとき、最終ラインは金古聖司が軸となって形成していたが、ブルキナファソ合宿の最後の練習試合で金古が負傷。本大会に向けては、急きょ手島と中田と"フラット3"を組んで臨むことになった。そのため、本番前の最後のテストマッチ、ASレッドスター93(現レッドスターFC)との試合では、ラインコントロールで3人の動きがズレるシーンが頻繁に見られ、試合中に3人で確認し合う場面が何度もあった。

 その後、辻本ら選手たちはワールドユースの開催地となるナイジェリアにそのまま入ったが、A代表の国際親善マッチ、ブラジル戦を控えていたトルシエ監督は一時帰国。大会を目前にして、一度チームを離れた。その間、大会が開幕するまでの練習では、山本昌邦コーチがチームを指導。その際、"フラット3"について、噛み砕いて説明してくれたという。

「ラインを上げるとき、相手をどういう位置に置いたらいいのかとか、微妙なラインコントロールについては、山本さんに教えてもらいました。トルシエ監督の説明だけではわからない、細かいところまで話をしてもらったので、だいぶ頭の中は整理されたけど、それでもまだ体がついていかない感じやった」

 反復練習を繰り返し、そのなかで手島、中田とも話し合って、それぞれの役割を明確にしていった。

「テッシー(手島)は無口だけど、『(自分の)後ろに必ずいてくれるやろ』と信頼していた。浩二くんはうまいから、そのまま任せて『俺のカバーだけ頼む』と言っていた。とにかく自分は、前に出て人に当たるという、自分のよさを出すことだけ考えて、あとはラインコントロールだけミスらないように考えてプレーした」 

 短期間で3人が呼吸を合わせてラインを上下できるようになるのは、決して簡単なことではない。ナイジェリア入りする前の合宿でも、トルシエ監督が自らボールを持ってラインを上下させる反復練習を行なっていたが、実戦となれば、相手との駆け引きがある。また、アフリカの選手たちが圧倒的なスピードとフィジカルを全面に押し出してくるようだと、高いラインを維持するのはかなり難しくなる。