スペインの慧眼が指摘。森保Jの課題は「敵が強度を上げたときの対応」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Yamazoe Toshio

 日本はプレスを回避できず、クリアに逃げるしかない。柴崎が下がってボールを受けようとするが、劣勢が際立った。波状攻撃を受けた後のことだった。クリアをした後、プレスがすべて後手に回って、スペースを使われてしまい、危険なエリアに侵入されている。シュートに対する冨安健洋(シント・トロイデン)のハンドは必然的だった」

 後半19分、日本はファルカオにPKを決められ、0-1とリードされた。ロシアでは開始早々のPKでアドバンテージを得たが、今回は逆だった。しかし、その後に日本が見せた挽回に、エチャリは拍手を送った。

「日本は香川真司(ベシクタシュ)、さらに乾貴士(アラベス)、鎌田大地(シント・トロイデン)を入れ、攻撃は徐々に勢いを取り戻している。最後の約15分は、再び日本が得点チャンスを作り出した。中島のバーに当てたシュートや乾がゴールエリアで放ったシュートなど、少なくとも3、4度は決定機があった。同点にしていてもおかしくはなかった」

 エチャリはそう言ってから、端的に敗因を述べている。

「引き分けが相応しい試合展開だったかもしれない。しかし日本は、決めるべきときに決めることができなかった。終盤にも再びチャンスは訪れたが、仕留められなかった。

 相手が強度を上げたときのマネジメントは日本の課題だ。ただ、日本はスピードをベースにした攻撃で"らしさ"を見せた。幅を使いながら、一気にインサイドを破って、チャンスを作っていた。最後の反撃も収穫だろう。今は挑戦を続けることだ」
(つづく)

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