影の功労者は西大伍。ボリビア戦でグチャグチャ展開に待ったをかけた (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 その基盤の形成に一役買っていたのが、右サイドバックの西大伍(ヴィッセル神戸)だ。代表キャップは、2011年6月に新潟で行なわれたペルー戦以来の2度目ながら、Jリーグベスト11に2年連続輝いた実力派のベテランである。

 その洒脱なパスセンスとパスコースの作り方は、この即席チームにとって欠かせないエッセンスになっていた。現在31歳。代表選手としてどう扱うか、悩むところだが、五輪チームのオーバーエイジにはうってつけの人材ではないだろうか。

 東京五輪の話をすれば、いまはフル代表チームより五輪チームの強化を優先すべき時ではないだろうか。五輪チームの選手を多く混ぜ入れた若手中心の代表チームを編成。それをA代表として戦う。五輪チームとA代表と、真っ二つに区分して別々に強化するより、はるかに理にかなっていると思う。
 
 A代表の強化に本腰を入れるのは東京五輪後で十分だ。そのほうが森保監督も兼任監督としての力を発揮できるはず。ファンもそれを受け入れてくれる時代を迎えていると確信する。スタメンを総入れ替えして臨んだボリビア戦を見ていると、さらなるドラスティックな試みに期待したくなるのである。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る