昌子源、フランスでの経験を生かす。
ファルカオの突破を何度も阻止

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 南米の強豪国をあと一歩のところまで追いつめた、とも言えるし、力の差を見せつけられた、とも捉えられる。

 3月22日に日産スタジアムで行なわれたコロンビア戦は、敗れたのだから「可」のわけがないし、かといって「不可」の評価を下すほどコテンパンにやられたわけではない。サッカー専門誌の採点方式を借りれば、10点満点中「5.5」をつけたくなるような日本代表のパフォーマンスだった。

コロンビアの攻撃を最終ラインで食い止めた昌子源コロンビアの攻撃を最終ラインで食い止めた昌子源 チームの戦いぶりについての評論は他の識者に譲るとして、個人的に注目していたのは、アジアカップからの変化である。準優勝に終わったアジアの戦いから、どのような上積みをもたらせるか――。それが、カタールW杯に続く"これからの戦い"の指針となると考えていたからだ。

 その変化を生み出せるのは、新たな戦力となるだろう。コロンビア戦のスタメンに名を連ねたのは、アジアカップ組が7人、初招集組が1人【鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)】、そして代表復帰組が3人【中島翔哉(アル・ドゥハイル)、山口蛍(ヴィッセル神戸)、昌子源(トゥールーズ)】という内訳だった。

 復帰組のうち、中島は負傷で離脱したアジアカップまで主軸を担っていただけに、「復帰」という言葉でくくるのは当てはまらない。つまり、森保体制下における新戦力は、鈴木、山口、昌子の3人だった。

 なかでもカギを握ると考えていたのは、復帰組の山口と昌子である。ロシアW杯にも出場した経験豊富なふたりが、森保ジャパンのスタイルにどれだけアジャストし、存在感を示せるか。それがこのコロンビア戦の個人的な焦点だった。

 結論から言えば、山口も昌子も、チームの戦いぶりと同様に、「可もなく、不可もなく」のパフォーマンスだった。

 山口は最終ラインの手前のスペースをしっかりとケアし、クサビのボールにも厳しく対応。自由に動くハメス・ロドリゲス番としても機能しており、持ち前の守備力は発揮できていた。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る