香川真司の「危機感」。ロシアW杯組は森保Jに何をもたらすのか (3ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 今冬に移籍したアラベスで出場機会を掴み取り、アジアカップから引き続き選出されたMF乾貴士も、アジアカップでほとんど起用してもらえなかったため、代表チームにおける自身の立ち位置は十分理解しているようだった。

「今は(南野)拓実(ザルツブルク)、(堂安)律(フローニンゲン)、(中島)翔哉(アル・ドゥハイル)が日本の武器だと思うので、そこに割って入っていくためには、試合でしっかりアピールしなきゃいけない」

 満を持して森保ジャパン初選出となったMF香川真司(ベシクタシュ)にしても、危機感を隠さない。

「今まで(チームとして)積み上げてきたものが少なからずあるわけで、結果を残している選手はリスペクトされるべき。僕は初めてなので、またイチからこのチームで結果を残していけるように。この2試合はその意味で大事」

「11人のコロンビアに勝ちたい」と闘志を燃やすDF昌子源(トゥールーズ)にしても、吉田麻也(サウサンプトン)と冨安健洋(シント・トロイデン)のセンターバックコンビに割って入らなければならず、自身の存在価値を証明するシリーズになるだろう。

 3年半後のカタールワールドカップを見据えて今、中島、南野、堂安、冨安らが重用されているのは間違いない。だが、彼らが不動の存在になっては意味がない。

 アジアカップから13人ものメンバーが入れ替わり、ポジションを奪おうとする新戦力、取られまいとする現有戦力、そして、獲り返しにいくロシアワールドカップの主力組がしのぎを削る3月シリーズ。なかでも、酸いも甘いも噛み分けたベテランたちのパフォーマンスとピッチ内外での振る舞いが、チームのベースアップには欠かせない。

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