香川真司の「危機感」。ロシアW杯組は森保Jに何をもたらすのか (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

「個の部分で局面を突破するところ、連係・連動の部分で局面を突破するところの質を上げていかないといけない。守備から攻撃になった時に、相手にプレッシャーをかけられている時に、ボールを保持して攻撃する部分をさらに上げないといけない」

 大迫勇也(ブレーメン)不在時の攻撃のオーガナイズも含め、これらがコロンビア、ボリビアと対戦する3月シリーズのテーマになるのは間違いない。

 とはいえ、合宿初日の3月18日と翌19日のトレーニングはコンディション調整に重きが置かれ、試合2日前の20日になって初めて戦術練習に取りかかったばかり。22日のコロンビア戦で戦術の落とし込みやアジアカップで生じた課題の改善にどこまで取り組めるか、疑問符がつく。

 だから、コロンビア戦で確認したいのは、個々のパフォーマンスだ。FW鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)やFW鎌田大地(シント・トロイデン)、MF小林祐希(ヘーレンフェーン)ら新戦力のアピールも楽しみだが、とりわけ注目したいのが、ロシアワールドカップ組のプレーと振る舞いである。

「もしかしたら、自分にとってこれが(代表に呼ばれるのが)最後のチャンスかもしれない。そういう想いで今回は来た」

 そう言って覚悟をにじませたのは、MF山口蛍(ヴィッセル神戸)である。昨年9月の森保ジャパン立ち上げのメンバーに選出されたものの、負傷のために離脱すると、その後一切、声がかからなかった。約半年ぶりとなる今回の招集は、今冬移籍した神戸での好パフォーマンスが認められた形だが、一方で代表のチーム事情も理解している。

「アジアカップのメンバーが何人かいないし、(遠藤)航(シント・トロイデン)がケガでいない状況だから選ばれたということも理解しています」

 同じく覚悟を示したのは、ロシアワールドカップ以来の選出となったMF宇佐美貴史(デュッセルドルフ)である。デュッセルドルフで今季17試合に出場したが、先発は10試合だけで、わずか1ゴールにとどまっている。それだけに「一番下からスタートしていく立場かなと思っています」と決意を口にした。

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