バルサで世界一になったサッカー選手。茂怜羅オズは大志を抱く (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Sportiva

「本気でやって結果を残したいと考えてやってきました。中途半端だったらやらない。だから僕は、世界ベスト5に選ばれる選手になれたんだと思います」

 茂怜羅は自身の仕事に、プライドを示した。世界での活躍が認められた茂怜羅は、国際連盟選出のベスト5(ビーチサッカーは5人制)に2014年から3年連続で選出され、2018年には4度目の受賞も果たしている。

 まさに世界のトッププレーヤーである茂怜羅は、身長190cmと恵まれた体躯を備え、しなやかなボールタッチと対人プレーに強さを見せる。ポジションは守備の要である「フィクソ」。相手の攻撃を封じ込め、攻撃の起点となる役割も担う。

 もっとも、守備職人のイメージにはそぐわない結果を残している。日本代表通算記録は87試合・95得点(2019年3月17日時点)と、1試合当たり1点以上の得点を記録しているのだ。

「ビーチサッカーの魅力は、アクロバティックなプレーが多いことです。オーバーヘッドとか普通にやりますから。あとは、砂がデコボコなので、浮き球でボールをつないだり、展開も速い。点数もたくさん入るスポーツです。自分は守りの選手なので、前に行く機会は少ないですが、ロングシュートが得意なので、遠くから点を獲ることが多いですね」

 今年は、ビーチサッカー界にとって重要な一年となる。11月にパラグアイでワールドカップが開催されるのだ。

 2005年から始まったワールドカップは、当初は毎年開催されていたものの、2009年以降は2年に一度の開催となった。日本はこれまで全9大会に出場し、最高成績は2005年大会の4位。前回の2017年大会は、グループステージ敗退に終わっている。

 わずか3枠のワールドカップ出場権をかけたAFCビーチサッカー選手権で、日本は力強さを見せつけた。

 クウェート、カタール、バーレーンと同組となったグループステージを3戦全勝で突破すると、準々決勝ではアジア最大のライバルと見られていたイランを延長戦の末に撃破。準決勝でレバノンに快勝を収めてワールドカップの出場権を手にすると、決勝ではUAEをPK戦の末に下し、4大会ぶりとなるアジア制覇を実現した。

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