バルサで世界一になったサッカー選手。茂怜羅オズは大志を抱く (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Sportiva

「やっぱりレベルを上げるには、プロリーグが必要。ビーチサッカー選手になりたいと思っても、現状ではお金が得られない。フットサルのようなプロリーグができれば、やりたいと思う人は増えるはず」

 茂怜羅は現状を憂(うれ)いながら、プロリーグの創設を訴える。

 こうした環境のなかで、茂怜羅が世界ベストプレーヤーのひとりに選ばれ続けているのには、理由がある。それは、ビーチサッカーには「移籍が自由にできる」というルールがあるからだ。

 茂怜羅は東京ヴェルディBSに籍があるものの、シーズン中であっても海外リーグのチームからオファーを受ければ、そのチームに参加できる。たとえば、普段は東京ヴェルディBSで活動し、週末だけロシアのリーグでプレーすることも可能だ。

 茂怜羅は2014年に、東京レキオスBSに所属しながら、バルセロナの選手として世界ビーチサッカー選手権に出場し、見事世界一に輝いている。そして今なお、世界各国のクラブからオファーが届き続けているという。

「世界的にビーチサッカーが盛り上がっているのはブラジルですが、リーグがしっかりと確立しているのはロシアとイタリアですね。ロシアは屋内コートがあって、1年中ビーチサッカーがプレーできる環境があるんですよ。月曜から金曜までロシアでプレーして、土曜に帰国。日曜に試合をして、そのまま成田空港に行って、また翌週にロシアでプレーする、なんて時もありましたよ(笑)」

 もちろん、日本にお金の稼げるリーグがあれば、そんなハードスケジュールをこなす必要はない。しかし、現状ではそうもいかない。

 他の選手はアマチュアで、練習や試合以外の時間はアルバイトなどで生計を立てているが、茂怜羅はプロプレーヤーである。海外に出て、お金を稼ぐ必要があるのだ。そしてお金はもちろん、自身のレベルや価値を高め、日本のビーチサッカーの認知度を高めたいという想いも、そこにはある。

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