2019.03.19

『黄金世代』でひとり取り残された
GKの苦悩「なぜ自分だけ…」

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

「若い時は、何歳までに代表に入って、何歳で海外に行くとか、明確な目標を設定して、そこに向かっていくじゃないですか。でも僕は、柏をクビになって以降、目の前の1試合が貴重に思えるようになったんです。

 よく『何歳まで現役でやりたいですか?』と聞かれるけど、そういうのもないですね。『40歳までやる』と設定すると、そこに到達した時点でもう続かないと思うんです。

 今はとにかく、1年間完全燃焼してがんばる。その結果、1年でもプレーできる時間が長くなればいいと思っています。自分が『ちょっとキツイ』と思ったら(現役を)やめるかもしれないけど、そう思わないようにがんばっている感じですね」

 南を含めて「黄金世代」は、40歳を目前にして今なお現役でプレーを続けている選手が結構いる。彼らとはもちろん対戦することもあるし、キャンプや合宿地などで会うこともあるという。

 そのときは、それぞれの近況などを報告しつつ、いろいろな話をする。厳しい競争下に置かれていること、ケガや体のケアについての話などは、お互いに共感する部分が多いという。

「昨年はキャンプ地のプレシーズンマッチでソガ(曽ヶ端準/鹿島アントラーズ)と会って、話をしました。ソガは『若いときは、自分が出られるようにクラブも後押ししてくれるけど、今はライバルを連れてこられる』というような話をしていました。『クラブは血の入れ替えをしていかないといけないので、それは仕方がないことだけど、そこを自分の力で食い止めないといけない』と。

 昨季限りで引退した(小笠原)満男も、そのシーズンが始まる前には『(自分が)成長するには競争相手が必要だよ』って言っていましたけど、そのとおりなんですよね。プロサッカー選手に安泰なんてない。自分でポジションをつかまないといけないし、それがプロのあるべき姿。

 海外では、それが日常じゃないですか。実際、それが成長につながるし、本田圭佑選手が若い選手たちに向けて『海外に行け』というのは、そういう理由からだと思います」