2019.03.18

黄金世代の南雄太は、トルシエ監督について
キングカズと語り合った

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

 トルシエ監督がいい緊張感を持続させ、試合をこなすごとに自信を深めていったチームは、ついに決勝にまで登り詰める。

 ファイナルの相手は、スペインだった。

 試合前、「スペインだけは違う」とトルシエ監督は顔を真っ赤にして、相手の脅威を選手たちに説明したという。はたして、それは開始わずか数分にして、現実のものになった。

「スペインはマジで強かった。”フラット3”が全然ハマらなくて、逆に(DFラインの)裏をバンバン取られて、正直勝てる気がまったくしなかった。0-4で負けたけど、それがあの時の(スペインと日本の)実力の差でもあった。

 まあでも、あそこで優勝していたら、上がなくなりますからね。スペインにチンチンにされたから、2000年シドニー五輪を目指そうという気持ちになったし、『まだまだ世界のトップは遠いなぁ』と思えたから、その先、成長できたんだと思います」

 ナイジェリアに出発する際にはほとんど見送りはなかったが、日本に帰国すると、空港には大勢のファンが出迎えてくれた。南も、多くの人に祝福してもらい、今まで縁がなかった人と会える機会も増えた。

 そんな”世界2位”というバブルはしばらく続いていたが、そうした状況にあっても、南は「これから」を強く意識していた。だが、ワールドユースの快挙以降、小野伸二や高原直泰、稲本潤一ら「黄金世代」の中心選手たちと、南の人生は大きく分かれていく。

 シドニー五輪を目指す代表チームにあって、南はアジア最終予選まではメンバー入りしていたものの、本番の五輪代表メンバーからは漏れてしまったのだ。選ばれたGKはオーバーエイジ枠で入った楢崎正剛と、当時Jリーグでメキメキと頭角を現していた都築龍太だった。そしてまた、ワールドユース・ナイジェリア大会と同様、曽ヶ端がバックアップメンバーに選ばれた。