FW人材難の森保J。とっておきの
ストライカーは北の大地にいた

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio


長崎を経て札幌で覚醒しつつある鈴木武蔵長崎を経て札幌で覚醒しつつある鈴木武蔵 ストライカーにとって、自信は成長するうえで何よりの肥やしとなる。その点で昨シーズン、J2に降格した長崎で、自身初のふた桁ゴールとなる11ゴールを決めたという事実が、大きな拠りどころとなっているのは間違いない。

 加えて、長崎時代の恩師であり、現役時代に「アジアの大砲」と呼ばれ、日本を代表するストライカーだった高木琢也監督から「学んだことがある」と言う。浦和戦後、鈴木がその内容を明かす。

「ゴールを取りたいと思い過ぎないように、メンタルコントロールすることが大事だと高木監督から教わった。長崎でやってきたことが今、すごく生きている。もちろん、去年得点を取れたという自信もそこにつながっている」

 今シーズンから所属する札幌は、手にした自信を膨らませ、確かなものとするのにうってつけの場所だろう。チームを率いるのは、ボール支配を基盤としたパスサッカーの信奉者である"ミシャ"ことミハイロ・ペトロヴィッチ監督である。浦和時代に指導を受けた日本代表の原口元気(ハノーファー)も、「攻撃のアイデアがあれだけ豊富な監督を他に知らない」と称賛する指揮官だ。

 ペトロヴィッチ監督就任から1年ちょっとしか経っていないが、すでに札幌は攻撃のバリエーション豊かなチームへと変貌を遂げている。前線で相手DFと駆け引きしていれば、ゴールチャンスはいくらでもめぐってくるだろう。

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