FW人材難の森保J。とっておきの
ストライカーは北の大地にいた

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

Jリーグ序盤戦で見つけた
森保Jで試してほしい選手(3)
FW鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)

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 はたして、どのストライカーに白羽の矢が立つのか――。

 3月下旬のコロンビア戦、ボリビア戦に向けた日本代表のメンバー発表における最大の焦点が、これだろう。

 絶対的なエースである大迫勇也(ブレーメン)はアジアカップで背中を痛めて戦線離脱中。武藤嘉紀もアジアカップ終了後、所属するニューカッスルでは5試合中4度、ベンチ外になるなど、出場機会をつかめていない。

 清水エスパルスの北川航也は最前線で奮闘しているが、日本代表が今、センターフォワードの人材難に陥っているのは間違いない。

 そこで推したいのが今シーズン、V・ファーレン長崎から北海道コンサドーレ札幌に移籍した鈴木武蔵だ。

 湘南ベルマーレと対戦した開幕戦こそ、後半31分からの出場だったが、第2節の浦和レッズ戦では先発して2ゴールをマークし、第3節の清水戦でもネットを揺らし、ここまで3ゴールを積み上げている。

 浦和戦での1点目は、アンデルソン・ロペスの浮き球パスを相手DFの背後で柔らかくトラップし、前に持ち出して左足でニアサイドを撃ち抜いた。2点目は、チャナティップのスルーパスに反応して抜け出すと、左足で冷静にネットを揺らした。清水戦のゴールもスルーパスを引き出すと、左足で正確にファーサイドネットに蹴り込んだ。

 これまで、スピードや跳躍力といった身体能力は申し分なかったが、荒削りな部分が目についていた。しかし、今シーズンの3ゴールはいずれも抜け目なく、鮮やかにゴールを陥れたもの。トラップの技術やなめらかな動き出し、シュートの正確性やシュートシーンでの落ち着きに、成長の跡がくっきりと浮かび上がるのだ。

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