なでしこはコミュニケーションが濃い!
ベテランがピッチ内外でフル稼働

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 ワールドカップ本大会で同組のイングランドを迎えた、シービリーブスカップ(SheBelieves Cup/アメリカ開催)最終戦は0-3で日本が惨敗した。

イングランド戦でセンターバックを務めた大賀理紗子と話し合う鮫島彩イングランド戦でセンターバックを務めた大賀理紗子と話し合う鮫島彩 初戦で世界ランク1位のアメリカに引き分けられたのは、攻撃面の成長も大きいが、最大のポイントは最終ラインにあった。市瀬菜々(ベガルタ仙台L)の離脱によって直前に作られた急造の守備陣ではあったが、左に有吉佐織(日テレ・ベレーザ)、センターバック(CB)に鮫島彩(INAC神戸レオネッサ)、熊谷紗希(オリンピック・リヨン)、右には断トツの安定感を持つ清水梨紗(日テレ・ベレーザ)を並べることで、アメリカの猛攻を跳ね返す策が見えた。そこが安定することで、ボランチに入った杉田妃和(INAC神戸レオネッサ)、松原有沙(ノジマステラ神奈川相模原)の若手2人は、自分たちのプレーに集中することができた。

 続くブラジル戦では最終ラインに新戦力が配置されたが、代わって守備のカバーに長けた宇津木瑠美(シアトル・レインFC)、攻撃の起点になる中島依美(INAC神戸レオネッサ)、籾木結花(日テレ・ベレーザ)を中盤に置くことで、より攻撃をブラッシュアップしていった。実際、攻め込まれてもボランチが的確にカバーに入り、跳ね返している間にうまく攻撃がはまって、しのぎ切って勝利した。

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