スペイン人指導者のアジア杯総括。
「サウジ戦の守備は称賛に値する」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Fujita Masato

 その後、リードした日本はさらに守る時間が増えた。前半は、何度かカウンターからクロスを折り返すが、タイミングが合わない。吉田が決定的なプレーをブロックするなど、ディフェンスの健闘が目立った。

 後半が始まってまもなく、南野拓実(ザルツブルク)がエリア内でボールをコントロールするシーンがあったが、ハンドと判定された。個人的には肩でのトラップに見え、不運だった。その後の日本の攻撃は単発。攻撃のスピードが上がらない。次第にファウルの回数も増え、明らかに動きが落ちる。サウジは8人もの選手が日本陣内に入って、攻守のバランスを崩していただけに、その息の根を止めるような逆襲を仕掛けたかったが、できなかった」

 エチャリはカウンターの精度に改善点を示したものの、守備の集中力には及第点をつけた。

「ラストプレーで、GK権田修一(ポルティモネンセ)がいい判断で出て、決定機を防いでいる。守備は全体的にとても集中していた。また、終盤に柴崎のFKに遠藤航(シント・トロイデン)が合わせるなど、セットプレーは最後まで脅威だった」

 最後に、エチャリは次の試合に向けたメッセージを送っている。

「サウジアラビア戦の日本の選手たちは、やるべきことを心得ていた。粘り強く、責務をやり遂げた、と言えるだろう。あとは堅い守備をカウンターでゴールにつなげる、もしくは少なくともチャンスに結びつけることだろう」
(つづく)

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