日本とイラン、何が明暗をわけたか。大迫勇也の存在が誤算を生み出す (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 イランと日本。プレーの違いは、流れるか流れないかにあった。大迫がスタメンに復帰した日本が流れたのに対し、イランは流れなかった。選手個々の能力で上回るのは、あるいはイランかもしれない。ところが、そのプレーには連動性がない。コンビネーションプレーでもイランは日本に劣った。

 勤勉さという点でも日本のほうが上だ。主審に抗議している間に貴重な先制点を許す――なんて間抜けなことはまずしない。

 日本はロスタイムに原口元気(ハノーファー)のドリブルシュートが決まり、3-0で勝利した。日本は最大限うまくいった試合であり、イランはその逆、大失敗に終わった試合だった。

 次戦、決勝の相手はカタールかUAE。ただし、日本が2試合連続、最大限うまくいく試合をできる保証はない。

 日本に求められるのは、大迫以外のアタッカー陣が奮起することだ。大迫がいなくても流れるようなサッカーができなければならない。南野、原口、堂安律(フローニンゲン)。日本がこれまで苦戦を強いられてきた原因は、CFが決まらなかったこともあるが、この2列目の3人に大きな問題があった。

 周囲とどう絡むか。彼らに問われているのはコミュニケーション能力だ。

 原口は長友佑都(ガラタサライ)と、堂安は酒井宏樹(マルセイユ)ともっと頻繁に絡むべきだし、南野は柴崎岳(ヘタフェ)とパスを交換する回数を増やすべきである。サイドバックが登場する回数を増やさないとサッカーは流れない。

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