2019.01.29

日本とイラン、何が明暗をわけたか。
大迫勇也の存在が誤算を生み出す

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 イランにとって惜しかったのは、前半23分のシーンだった。ストライカーのサルダル・アズムンが、吉田麻也(サウサンプトン)のマークを外して放ったシュートである。もしこれが決まっていれば、結果はどうなっていたかわからない。

 ちなみにこのプレーは、GK権田修一(サガン鳥栖)が危なっかしいプレーをした直後に起きたピンチだった。ファインセーブもないわけではないが、この大会で1試合に1回の割合で不安定なプレーを見せている権田。この試合も例外ではなかった。

 後半22分、日本は大迫のPKで追加点を挙げたが、このシーンにもラッキーな要素が多分に含まれていた。南野の折り返しが、スライディングで止めにいったイランDFモルテザ・プーラリガンジの左手に当たると、ビース主審はPKスポットを指した。VARを経ても判定は変わらなかった。

 PKを取る人もいれば取らない人もいる、微妙な判定だ。故意ではないし、ボールのほうが勝手に当たってきたという感じさえした。主審の裁量に委ねられる判定だ。かつてのほうが取らない人は多かった。VARの時代だからこそPKになった部分もある。

 手に当たっていることは確かでも、それが許されるケースはある。だが、映像にその瞬間がバッチリ映っていれば、これがいかに例外的なケースかを訴えても説得力は高まらない。言い換えればそれは、あらゆるPK判定のなかでもっとも罪の浅い反則といえた。イラン側にとってみればこれほどの不運も珍しい。

 ボーンヘッドと不運。悪いことが2つ重なればイランに勝機はない。2-0になって、しばらくはイランも頑張っていたが、残り10分を切ると諦めムードを漂わせた。