長友佑都はベトナムの運動量を警戒。森保Jは敗戦の教訓を生かせるか (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by JFA/AFLO

 こうした彼らの勇敢な姿勢は、今大会でも引き継がれている。

 たとえば、0−2と敗れたグループステージ第2戦のイラン戦でも、この優勝候補筆頭のチームに対して真っ向勝負を挑み、ゲームモデルに基づいてボールを前進させ、アタッキングサードでは4人、5人の選手が飛び出した。基本布陣は3−4−3で、押し込まれた際には4−5−1のブロックを敷いて守るが、ただ自陣に引きこもっているわけではないのだ。

 中心選手のひとりは1トップを務める10番、「ベトナムのメッシ」ことグエン・コン・フオンだ。多彩なゴールパターンを誇るストライカーで、今大会でも2ゴールをマーク。かつてJ2の水戸ホーリーホックに所属したこともあるから、「日本サッカーに関しての知識はある」と本人も自信をのぞかせる。

 右シャドーに入る19番のグエン・クアン・ハイもクオリティの高い選手だ。左利きのアタッカーで、カットインしてゴールを陥れる。U−23アジア選手権では5ゴールをマークし、アジア大会の日本戦でゴールを奪ったのも、この21歳のアタッカーだった。

 さらに、今大会ではスーパーサブとして起用されている9番のグエン・バン・トアンも警戒したい。金髪がトレードマークで、圧倒的なスピードでディフェンスラインを切り裂き、果敢にゴールを狙ってくる。

 全体的に運動量が豊富なのも特徴で、これには長友佑都(ガラタサライ)も「彼らは永遠に走れるんじゃないかっていうくらい走りますよ。(ラウンド16の)ヨルダン戦を見たけれど、ヨルダンのほうが身体は大きくてフィジカルが強いんだけど、彼らは走りで圧倒していた」と警戒心をのぞかせる。

 一方、日本の焦点のひとつは、右臀部痛の大迫勇也(ブレーメン)が試合に出られるのかどうか、だろう。

 このベトナム戦は、ラウンド16のサウジアラビア戦から中2日で行なわれるため、とりわけ消耗の激しい攻撃陣は、可能ならメンバーを入れ替えたい。加えて、ラウンド16のサウジアラビア戦で通算2枚目のイエローカードをもらった武藤嘉紀(ニューカッスル・ユナイテッド)の出場停止が決まっている。

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