森保Jの失態。ブラジルではなく、
サウジ相手にこの苦戦は結構マズい

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 MF遠藤航(シント・トロイデン)は、「セットプレーで1点取れて、その1点が逆に、さらにしっかりブロックを引いて固めるみたいな戦い方にシフトしてしまったかなというところはある」としたうえで、こう語る。

「(ボールを)奪ったあとに縦に(パスを)つけること。それにプラスして、前に(ボールが)入ったときに、僕ら中盤の選手、とくにボランチのふたりがサポートにいって、少し落ち着かせるのか、そのままカウンターをやり切るのかっていう(判断を使い分けて試合を進める)ところは、もっとやりたかった」

 遠藤が言うように、スピードあるカウンターで一気に攻め切るでもいいし、ゆっくりパスをつないで落ち着かせてから、相手を押し返すでもいいが、いずれにしても日本は、自分たちの時間をあまりに作れなかった。

「理想はもう1点取ることだし、もう少し自分たちでボールを動かしながらゲームを進めていくこと。落ち着かせる時間を作るのが理想ではあった」という遠藤の言葉には、大いに賛同する。

 ただただ個人能力頼みで、強引に中央から突っ込んでくるサウジアラビアの攻撃は、極めてバランスが悪かった。日本はそのスキを突き、カウンターから2、3点は取れたはずだが、得点できないにしても、相手を押し返すことくらいはできなければいけなかった。

 にもかかわらず、なぜこれほどまでに、日本は攻められ続けなければならなかったのか。

 理由は単純。日本にミスが多く、奪ったボールをすぐに失ってしまったからだ。

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