鬼門の決勝トーナメント初戦。森保Jは悪しき流れを断ち切れるか (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 大会前に、内田篤人(鹿島アントラーズ)がこんなことを語っていた。

「チームがうまくいっているときは、誰が入ってもうまくいく。うまくいかなくなったときに、何ができるか」

 先制点を許してチームに動揺が走ったとき、果たして彼らは、どんな振る舞いが、どんなプレーができるだろうか。

 ラウンド16を控えたふたりの心境は、対象的だ。南野が「負けたら終わりのゲームではありますが、とくに何も変わることはないですね。普段どおりです」と、いつもどおりを強調すれば、堂安は「もっと貪欲にいきたいなって思ったし、『もっといったろ』と強く思っていますね。3試合を振り返って、僕が勝たせたと胸を張って言える試合は1試合もないですし、本当にそういうところを目指しています」と力を込めた。

 振り返れば、三浦知良(横浜FC)も、中村俊輔(ジュビロ磐田)も、遠藤保仁(ガンバ大阪)も、本田圭佑(メルボルン・ビクトリー)も、香川真司(ドルトムント)も、アジアカップで日本代表を優勝へと導いて、日本代表での地位を確立していった。そうした存在に、南野は、堂安はなれるのか。サウジアラビア戦は、今後の代表における彼らの立ち位置が決まる試合になるかもしれない。

 一方、サウジアラビアは今大会、 2勝1敗でグループステージを突破した。

 基本布陣は4−1−4−1で、前線にはスピードと突破力を備えたアタッカーがずらりと並ぶ。なかでも警戒すべきが、センターフォワードの19番、ファハド・アルムワラドだ。身長166センチと小柄で、スピードと敏捷性に優れ、豪快な一撃も秘めている。「スピードモンスターですよ、あれは。メチャクチャ速い」と長友も警戒心を強める。

 日本はサウジアラビアとロシア・ワールドカップのアジア最終予選で同組となり、2017年9月のアウェーゲームで0−1と敗れたが、その決勝ゴールを決めたのが、他でもないアルムワラドだった。

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