スペインの慧眼がオマーン戦の南野を高評価。「注目すべきレベル」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Sano Miki

 存在が光ったのは、南野拓実(ザルツブルク)だ。

 南野のDesmarque(マークを外す動き)はタイミングに優れ、注目すべきレベルにある。8分、12分、24分と3回、GKと1対1に近い状態に持ち込んでいる。冨安からの質の高いロングパスにマーカーを置き去りにするように抜け出し、ボールをコントロール。放ったシュートは際どかった。

 その後も、日本は持ち前のスピード、スキルを生かし、優勢を保っている。高いラインを敷いたオマーンの裏を効率的に突き、長いボールも有効に使った。また、柴崎岳(ヘタフェ)が蹴るCKは、ロングもショートも脅威になっていた」

 アドバンテージを得て戦った結実か。前半27分、この日の決勝点となるPKを原口が決めている。

「PKは原口が倒される格好だったが、ジャッジそのものは疑わしかった。ただ、そこに至るまでシーンで、原口、堂安、南野のコンビネーションは傑出していた。すばらしいパス交換で絶好機を作って、またしても南野がシュート。GKに防がれたものの、この日のベストプレーのひとつだった。

 前半の日本の戦い方には、及第点を与えられるだろう。酒井宏樹(マルセイユ)、長友佑都(ガラタサライ)という2人のサイドバックも、的確な攻撃参加で深みを作っていた。遠藤は展開力を見せつけ、特筆に値した。吉田麻也(サウサンプトン)も、バックラインからプレーの矢印を変えながら、ビルドアップに貢献している。

 もっとも、決定力に課題は残った。終了間際の長友のハンドは、最悪の場合、PKプラス退場になっていたかもしれない。しかし、1-0でリードという結果はプレー内容にふさわしかったと言えるだろう」

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